五つ星お米マイスター・高級ブレンド米の店-藤井米穀店-

藤井米穀店
日経レストラン2006年12月号に、藤井米穀店社長のお話が掲載されました。
日経レストラン2006年12月号に、藤井米穀店社長のお話が掲載されました。

そこで、コラム羅針盤の特別版をご紹介させていただきます。

1)ブランド米は本当に美味しい?
2)ブレンド米の達人に聞く
コラム羅針盤-お米についてのコラムをご紹介!-

1)おいしさを売る難しさ
2)生産者ともども「おいしさ」の追求を
3)個性的な販売に産地も対応を
4)小売店は販売法を自ら考え行動を
5)顧客に細かい気配りで
6)売るより買わす方策を練る
7)味の工夫をまず第一に
8)消費拡大のキーマンは若者
9)"左回りの時代"しっかりと
10)食味に価格をつけることが原点
11)銘柄より食味のチェックを
12)消費者の疑問が需要増のヒント
13)流通、販売で急速に変わる常識
14)品質での価格差縮まる
15)食糧法での過当競争のゆがみも
16)産地志向強まる消費者
17)信用を安売りしてはいけない
18)期待高まる低アミロース米
19)生産者や土地で味も変化
20)客ひきつける「適当な無駄」
21)京文化生かした経営理念
22)今一度問いたい消費拡大策
23)どの地方にもおいしい銘柄
24)価格競争にもルールを
25)心の支えとなった一言
26)きめ細かな対応を売り物に
27)魚沼「コシ」異常高値を憂う
28)生産、販売「今まで通りでいいの?」
29)水分少し多めに乾燥調整
30)もっと新米らしさ出して
31)産地や銘柄にとらわれず
32)明るい未来へ前向きの努力を
33)努力と工夫で不況を乗り切ろう
34)工夫次第で伸びる販売
35)といで一膳でも多く食べよう
36)顧客確保へ話題提供
37)既成概念の「訂正」から
38)「満足」つける難しさ
39)勉強会で説明にも自身
40)ブレンドに方程式なし
41)銘柄信仰から脱却を
42)おいしさ重点の競争に
43)廃業招く安売り合戦
44)タイミング逃さずに
45)今回は小売に戸惑い
46)相性よく組み合わせる
47)うまさ受け販売好調
48)関心集め商売繁盛に
■おいしさを売る難しさ
1997年7月4日掲載

最新情報によれば、既存の米の専門店数は、旧食管法のときに比べ三分の二程度に減り、 新規小売登録件数は大幅に増え、全国の小売店舗数は、約十八万二千店になったそうだ。

街に出て、米売り場を見てみると、どこの売り場も有名産地、有名銘柄のオンパレードである。 あの新潟県魚沼産「コシヒカリ」などは、全国生産量の〇.七パーセントしか生産されていないはずなのに、 どこの売り場にもあるのは妙である。

消費者は有名産地、有名銘柄の米を求めるほうが多く、販売するほうは内容はどうであれ、 新潟・魚沼産など有名産地、有名銘柄の表示をしなければ売りにくいのである。

確認マークだの認証マークだの「本物だぁ、本物だぁ」と表さなければならない。 そこで、表示と内容との間にゆがみができて組織がらみの偽マーク事件まで生まれてくるのである。

他方、ここにきてブレンドこそ究極の味を引き出すものと中身を表示しないで、 単に「ブレンド」として高額な価格セッティングで販売する動きも出てきている。

私は一九六八年から米の単品や混米したのを一日三回三種類ずつ九種類試食して、 記録しているが、単品、ブレンドどちらにしても、うまい米を見つけるのは難しい。

同じ産地の同じ銘柄でもつくった人によって味が違う。

おいしいものはそのままに、そうでないものはブレンドして、消費者によりおいしく食べてもらうのが私の仕事である。

あの産地の、あの銘柄とこの産地のこの銘柄とをブレンドすればおいしくなる……。

そんな単純なものではない。腹が減っていればどんなものでもおいしく感じるが、膨れていればそうではない。

あの米パニックの時は腹が減った状態だが、今はそうではない。よりおいしいものを販売しないと、 世間が受け入れないのである。米が主食でなくなりそうな時、もう一度消費まで、種々考えなければならない時代ではないだろうか。


このコラムは、日本農業新聞に掲載された
藤井米穀店社長のコラムを転載したものです。

2004 藤井米穀店.
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