甲子園高校野球の熱い戦いも終わったが、わが米販売専門店チームはなかなかヒットも打てず、ホームランなどは夢のまた夢。 相手ピッチャーがボールばかりを投げてくるので、フォアボールで塁に出ようとバットを振らない消極策にならざるを得ない。 大資本チームや異業種チームにやられっぱなしのこのごろである。
早場米の新米やこれから続々入荷する新米に期待しながらヒットを重ねていきたいのだが……。
マスコミの発表では、全国的に収穫量は「やや良」とのこと。
今でも外国産や、一九九四、九五、九六年度産の米が大量に余っているのに「今年も豊作だと喜んでよいのやら、悲しんでよいのやら」。
われわれ米販売業者の立場、いや生産者の方の立場も含めて、このまま米の山に埋もれてしまうのでは、と心配される。
安売り合戦は、なお一層拍車がかかり、生産者の手取り金額は少なく、販売業者の利益は圧迫を余儀なくされ、 米販売専門店は生活できなくなり、転・廃業に終われる数が一層増えるであろうと懸念される。
今、消費者に「米の購入先は」と聞けば「生産者から直接」と答える人が三〇パーセントあるそうだ。 それも有名産地の有名銘柄だけが買われているのであって、全国の生産地のあらゆるところではないのである。
売れない産地や銘柄は、今までの流通システムに頼って裁いてもらうしかない、結局は安くしても裁かないと、どこの倉庫も山積み状態だ。 ところがわれわれ販売店業者が、安くしようが、イベントを張ろうが、サービス品をつけようが思ったほど売れないのに気がついてきた。
「うまい」と言ってもらえる、「おかわり」と茶碗を出してもらえるように、 生産者は肥料を与える時期や種類、乾燥の方法、販売業者や流通業者は保管、精米技術、ブレンドなどを工夫し、 よりうまい「ご飯」を食べてもらえるよう頑張っていきたいものだ。