一般的には、A県産「コシヒカリ」の仕入れ値に何パーセントか掛けて売値を決める。 B県産の「ひとめぼれ」もまた同じ方法で売価を決める。
売れなくなってくると、特売日などを設けてサービスする。 さらに他の業者の値段を参考に値引きする。お互い、値引き合戦が始まる。
米袋のデザインを目立つものに変える、ちらしを配る、サービス品もつけてみる、 看板や店舗も立派なものに。それでも売れなくなってくる(値引きや経費をかけることは、 資金力のあるものや他に収入の道があるものはそれでも良いが……)
今までの米屋が売れなくなったのは、スーパーマーケットはじめ産地もディスカウントストアでもどこでも売るからだ。 仕入先が良い米を回さないからだ、果ては、今の社会が悪いからだと、不平不満のたらたらである。
当店のような資金力のない店は、今の状況をじっと我慢して、極端な行動は何もしていないが、販売量はそれほど減ったと思われない。
最近変化したことといえば、家庭用の販売が減り、業務用の売り上げが増えたことぐらいである。 消費者も家庭でご飯を炊くのが減ってきたし、コンビニエンスストア弁当や、中食、外食が増えているので、 当方の売り上げも時流に乗っているのかもしれないと、変な納得の仕方をしているのである。
当然、利益は減である。それでも何とかやっていけそうだ、親子三人小さな店だが明るく商売にいそしんでいる、 やぼ用も含め忙しい毎日だ。当店が努力していることは、いつも顧客、いや「個客」に合ったおいしい米を届けることに神経を使っているだけである。
値引きしたり、サービス品をつけてるする程度の商売は、中学生でも考えることが出来る。 今時プロとしての自覚、努力がない限り淘汰されるのは仕方のないことだろう。 普通の人が出来ないことを職業とするのが、プロフェッショナルであると思うが……言いすぎたかな。