今年も三月末、われらグループで鹿児島県南種子町(種子島)の田植交流会に行って来た。 その折、日ごろから交流のある北海道北竜町からも、メッセージが届けられた。 「北海道では、まだ、雪が水田に一メートルも残っている」のだそうである。 日本列島、北と南の季節の差で南北の長さを改めて感じさせられた。
南種子町の水田は、どこも水が張られ、かわいい苗が風にそよいでいる。 もうこの時期田植えは終わっていたのだ。そこでの交流会の席上、生産者の一人と雑談の中で意見を交換した。 日本一早い「コシヒカリ」は早さが売り物だが、それにもましてうまさに重点を置かないと、次の年には売れないぞ、と確認しあった。
最近、北海道からも新品種が次々出ているが、良い種が出てきたように思われる。頑張ってほしい。
過日、福井のある生産者グループの方とも交流会を持った。私は「最近の福井米はねぇ〜」と思っていた。 北陸では一番早く「コシヒカリ」を出荷している土地である。
その生産者の一人は「早い出荷に重点を置くために、うまさが犠牲になっているのでは」とおっしゃっていたのが心に残った。
種子島とは違う。福井は一年間通して売る通年玉だから、消費者の方に一、二度買ってもらって、 その後の注文が出ないのでは……。そのようにならないよう、味の工夫をお願いする。 とりあえずおいしいのを作って、「もう食べちゃった」と再度注文を受けたいものだ。