和歌山、新潟などの毒物混入事件、不況経済の悪化、みぞうの企業倒産、 日本発の世界恐慌が叫ばれる今日である。一方で、異常気象による東北、北陸産の新米の作柄懸念も。 このままだと、少ない新米と多量在庫の古米に。消費者には不足はないだろうが、 消費地図、価格地図は通年のようにはいかないだろう。何事も左回りの世の中になってきている。
われわれ米屋は規制緩和の名のもとに、米の売り場が増え、井戸の中から荒海に放り出された現状である。 いきなり異常な安売り、一部のサギ商法に圧倒され、荒波の中に飲み込まれ、仲間には(私も含めて)沈没寸前のものもある。
今年のお盆は、高速道路の帰省渋滞に巻き込まれないよう、少し遠回りだが裏道、ぬけ道を走って帰った。 地方道とはいえ、どの道も舗装され、実のついた稲や、そうでない稲を横目で見ながら「やった!」の気分で帰り着いた。 この時期、渋滞の車にも、そうでない車にも田舎から米を土産に詰まれていたり、宅配便で送られてきたりと、またまた売れない時期でもある。
米屋にとって、裏道でも、ぬけ道でも「やった!」といえる、もう1本の違う道がないものか。
左回りの時代、新内閣よ、あちらこちら荒地だらけだよ。 北の大地を耕している間に南の土地に雑草が生え、東の土地は水没し、西の土地は水不足。 こんな時代は、おのおののことをしっかりやらねば。一次産業の農業、特に米に関して考えながら頑張ろう。