昨年は、米の流通業界にとって最悪の年だったようだ。 卸も業績不振により、グループ化、会社合併、リストラなど、今後もまだまだこの状態が続きそうである。 工夫をしたその結果も、すぐによくなると言う保証はなさそうだ。
米の専業小売店も、売上不振、後継者不足などで、閉店を余儀なくされたところも多いと聞く。 時代の流れとはいえ、まだ旧食管法の甘えの時代を引きずっていることも、その原因の一端であろう。
新人類は、自分の好きなものなら高額なブランド品でも買うが、また、百円ショップやディスカウントでより安いものも探す。 二極に分けて金を使っている。
米の流れでは、二割ぐらいの消費者が高くてもおいしいものを求め、八割がより安いものを求めている。 あらゆる米売り場は八割の客をターゲットに商売してきた。
当店では、うまさの分かる二割の客を相手にしてきたが、逃げ出す八割に、 気持ちが揺らぐときもあったが、最近になって他の売り場の二割の客が来るようになってきている。
もちろん、一般的に言う安売りじゃなく安い米も売っている。 「コシヒカリ」や有名産地の米ではなく、当店の勧める混米してある商品である。 また、その米も売れ出した。その米のリピート客は「やっぱり米は米屋やで」とおっしゃる。
認証マークや確認マークを時代劇の印ろう代わりに使って、マーク使用停止処分を受けた業者や、 足元に火がつきかけて自ら外した業者もあると聞くが、法律やマークが先じゃなく、その前に消費者が、自然が、 人間があってのことを気が付かないと駄目な気がする。このことは自分への励ましでもあり、戒めでもある。