ある雑誌の読者モニターのアンケート結果に、お米を選ぶ基準は、一位が銘柄、二位が価格とある。 その雑誌の”おいしいお米”の条件は、「コシヒカリ」「あきたこまち」「ササニシキ」など稲の品種と、どこの産地が、 というのも重要なポイント。同じ「コシヒカリ」でも魚沼産もあれば熊本産の「コシヒカリ」もあり……、 一般的に東北地方のお米は味で定評がある、云々とある。
このようなマスコミ評が出るたびに、国内生産量の一%に満たない魚沼産の「コシヒカリ」が、 何十倍の量にもなって、ちまたにあふれてくる。
毎日、九種類の米を試食している私にとって、「熊本の○○さんが作ったコシヒカリは魚沼産の コシヒカリよりはるかにおいしいよ」とエールを送りたい。魚沼にも、東北地方にもなんの恨みもないが、 どこの地方にもおいしい土地、おいしい銘柄がある。
消費者おのおのの好みも千差万別、硬いのが好きな人、軟らかいのが好きな人、 生まれた土地のお米が一番うまいとおっしゃる方もいる。産地や銘柄は参考程度にして、 うまい米を作ろうと、人一倍努力している貴殿の作った米が一番おいしいとおっしゃる消費者もたくさんいる。 その地方に合う銘柄もある。おのおのの生産者の方の工夫と努力に期待したい。
先日、北海道北竜町にうかがった時、何種類かの種もみを混ぜて苗作りした「種もみブレンド米」 の新米も食べさせてもらった。ここにも努力と工夫があった。
付け加えて一言、「一般的に…」で始まる文章は、現実には「一般的」でない場合もあると思われる今日この頃である。