また、私の店の六月期の決算では、納入先の倒産により、高額の貸し倒れ処理をしなければならなかった。昨年末も、入金の滞る納入先も出始めた。
ある納入先は、今時としては繁盛しているのに、支払い時期の引き延ばし、納入金額の値下げを要求してくる。その店は付近の店より安値だから客が来る。忙しくなったから、人を雇い入れる。人件費がかさむ。繁盛しているのに、粗利が少ないので金が回らない、そのしわ寄せが納入業者に来る。不景気風にさらされている納入業者(私の店も含めて)は、支払い時期の引き延ばし、値下げの要求をのまざるを得ない。まして新規の得意先などは現金以外では危なっかしくて取引できない。
それだけではなく、今まで長年取引のあったところでも状況が悪くなりつつある。売れている企業だから、大きな企業だからと言って、よい企業とは限らない。小さくても強い企業になる努力をしなければ、この先、生き残ってはいけない。
売り上げを伸ばすにも、粗利を増やすにも難しい時期である。個々の企業の真の実力が試される。それぞれ一層の努力と工夫で乗り切らなければならないと自己に言い聞かせている。