夕方のローカルテレビ(MBS毎日放送・「ちちんぷいぷい」)で、最高級ブランド米「魚沼のコシヒカリ」と当方のブレンド米「愛米味」のうまさくらべの目隠し試食テストで、六人のコメンテーター全員が「愛米味」の方がうまいとの結果を出した。
「この米のお求めは」と、当店の電話番号が出たとたんに、夜九時まで電話がなりっぱなしだった。正月前とはいえ、この高額米がこんなに売れるとは意外だった。だが、問題はこれからである。リピーターがどれほどあるかが心配だ。電話で注文される雰囲気から察するに「正月用に高くても……」とか、「いつもデパートで買っているのだが……」とか、プレゼント用にと思われるのが大半である。このデフレ(持続的な物価の下落)時代、われわれはスーパーの安値ばかり気にして、そのための商品作りに気をもんでいるが、値打ちがあれば高くても買う人がこのように多い現実に、今後の商売の視点を変えなければ、生き残っていけないような気がする。
電話をかけてきた人の中には、一〇〇%がおいしい米で、ブレンドされた米は「混ぜもの」単価落としのためだけだと思っていたが、当店のおいしくするためのブレンド姿勢をテレビで紹介されたことに感激して会社を休んできた人もいた。たった十五分の紹介では言い尽くせないことが多々あるが、気分的には楽しい正月を迎えることができた。一月末までのリピーター率は二割であった。