「お米屋さん、ごめん、このごろ田舎から米を送ってくるのよ」。 こちらから「こんにちは」とあいさつすればこのような言葉が返ってくることが多くなった。 米がわが消費地に直接、音を立てて流れてくるようだ。
特に、端境期や収穫期には、新米、古米が入り乱れて流れてくる。 都会に住んでいる息子や、親せき、知人の下へ宅配便などでやってくる。 また、連休、正月休み、盆休みなどの里帰り時に、みやげ物と一緒に車のトランクに積まれてくる。
最近のアンケートによると、産地から消費者に送られていくるのは、直接販売も含めて四一%だろうだ。 残りのパイを、米屋、スーパーマーケット、生協、ディスカウントショップなどで客の取り合い合戦をする。
安さの点でディスカウントショップ、安全性で生協、利便性でスーパー。米屋は?。 だがどの売り場も売上高を減らしている。売れないから仕入れを控える。卸も一九九八年産の在庫が多くあるらしい。
最近のマスコミが「米の表示と中身が違う」「新米一〇〇%と書いてあるのに古米が混ざっている」 などの報道が多くなった。これでは、ますます消費地の販売業者は信用がなくなり、産地から「直接」とのことになる。
米の流れ方は、今までとは違ってきている。そのことが入札結果に現れている。 卸は売れない結果、在庫が多く、流れないから価格が下がる。その結果、生産側に潤いがなくなる。
流れないから、よどんでくる。いまに、”ボウフラ”でもわきそうだ。このままでは、いままでの本流が支流に、支流が本流になるかも。