数年前の米パニックの時からお世話になっている生産者から「昨年の倍の量の米を作ったから買ってほしい」と言ってきた。 当方は計画外流通米として全量仕入れ、その分、今までの自主流通米分の仕入れが減った。
生産者からの直接仕入れなので価格は安いし、その上、毎年のことなので、 こちらからの希望で「水分は○○%にしてほしい」などと要望し、それに沿った米を手に入れることができる。 すなわち、客のほしがる商品をダイレクトに生産者に要望することが出来るわけだ。 一方、消費者にはきめ細かな対応の商売が出来る。いきおいこのような仕入れが多くなると、消費者に対しては、 安さとともにきめ細かさを売り物にしないと買ってもらえない。
他方、米市場に目を向けると、作る自由、売る自由が認められた計画外流通米は、 年毎に幅をきかせ、パイの大きさは変わらないのに市場占有率を外国産とともに広げつつある。 まじめに減反協力に応じている生産者はどうなるのであろう。さらに、四月からの改正JAS法の絡みで、 生産、流通、販売に変化が生まれるのか、そうでないのか。それによっても計画流通米、 計画外流通米、外国産米のせめぎ合いをどう判断していくのか。
日本の稲作問題にとって、重要な時期に来ていることに間違いないだろうと思われる。