最近、業界マスコミ誌などで低アミロース米の記事が多くみられるようになった。 特に、「ミルキークイーン」は福島県や茨城県を始め、各産地で植えつけられるようになり、 生産者や流通業者の情報交換会やグループなども出来てきた。
そのほか、「夢ごころ」「スノーパール」「はやぶさ」「彩」など低アミロース米がにぎやかになってきた。 炊飯すると、さめても粘りがあり、つやが良く、ブレンド効率が良いというのだ。
昨年は一九九八年産の「ミルキークイーン」を数か所、今年は九九年産のそれを、 兵庫、福岡、愛知で、単品、またはブレンド相手を変えたりして試食してみたが、同じ県でも生産者によって微妙に違う。 もち臭の強いもの、そうでないものがあり、ブレンドにも二割にしたり三割にしたり、いろいろ試したが難しい。
だが、混米率がぴったり合ったときは、非常においしい。「ミルキークイーン」独特の個性の強い、 もち臭の強いもの(アミロース含量の少ないもの)ほどブレンドが難しく大変だが、その分、より以上うまさが期待できる。
同じ低アミロース米でも、「夢ごころ」のように、白濁のないものほどブレンドに使いやすいが、 粘りなどの特徴がうまく出ないため、ブレンドしないで単品のほうがよいかもしれない。
九九年産の「ミルキークィーン」を試して分かったのだが、乾燥方法や水分含有率によって白濁の状態が変わるらしい。 良食味の「ミルキークイーン」は入荷時に白濁がなく、それらしくなかったが、 三ヶ月を経た米袋を開けてみると袋の外側に近い部分は白濁が始まっていた。
そのほかの”低たんぱく米”にも注目していくつもりだ。新種がますます面白くなってきた。