四月から始まった改正JAS(日本農林規格)法直前の自主流通米入札で、魚沼「コシヒカリ」が史上最高値をつけた。 この異常は事態は、生産者、消費者にとっても、不愉快なことである。なりふり構わず価格を押し上げた業者の社会的責任は重い。
一部の者と断っておくが、今まで魚沼産と大書きされた米袋の中身は何であったのか? 化けの皮をかぶせたままでは通らなくなり、今度は本物を入れなければ、との思いからの行動は、そのものたちのごう慢と、 正義感のなさを、露呈しただけでなく、流通業界の恥部として現れてしまった。
気候変化などによって、毎年かわる米の品質や味を見分けることも出来ない者(と言われても仕方ない)が、 魚沼産ブランドの名を借りて、安楽に、また努力せずに効率よく商売ができ、そのブランド名を守ることによって、 もうけることの最短距離にいたのだろう。
この入札の異常価格は、今後、魚沼産離れを引き起こすかもしれない。 現実離れしたこの高値では末端の販売業者の中には、扱うことのをやめる人もでてきている。 その人たちは、「異常に高い米ですが、それほどうまくないですよ」と客に伝えていくそうだ。
それでもこの業界、今まではこのような、ひずみを上手に隠してきたようである。 例えば、認証マークだの確認マークをうまく利用した業者もいた。 厚化粧で隠す技術のたけた者は、この改正JAS法の中でも、うまく泳いでいくかも知れない。
生産から流通、消費まで、「もっと透明に堂々と行動していきたいものである。そのことがお互いのためになるのだから……