“新米入荷”の立て看板、のぼり、ポスター、ちらしなどが消費者に向かって投げかけられるが、 新米の反応は年々鈍っている。一般的には、”笛吹けど踊らず”の状態である。
今年の新米も、超早場米と言えども安値スタートであった。数年前なら高値でも売れていたのに。
生産、流通、消費の消費部分が冷えている。どう捕らえても、この様相は、生産、流通にプレッシャーが強い。
もちろん古米だって価格的には厳しくなる。
お客様には「この新米、つやがあるよ」「ネバリがすごいよ」「風味が抜群」などと生の声で一声掛けると、 「じゃあ、それ買うよ」となる。「安い、安い」ではわれわれは生き残れない。”生の声”を世論にまで広げないと……。
「米は健康によい」「朝はご飯でないと」などの声もあり、一膳(ぜん)でも多く食べてもらえるような生の世論を、 生産も流通も作っていかないと、ますますおかしくなっていく。
食料自給率向上運動をはじめ、米食推進運動など、これらの運動が”笛吹けど踊らず”にならないよう、 生の声の生かし方を考えていく必要がある。
現実に、消費地では古米入りの「新米一〇〇%」が売られていたり、有名な生産地の生産価格より安い銘柄米が恒常的に売られている。 正しい生の声を正しい世論にしないと、生産地は変なプレッシャーに負けてしまう。今の”笛の吹き方”に問題があるのかも?