今年も一九九九年産の「米の食味ランキング」が日本穀物検定協会によって発表された。 高温障害の影響などで食味は低下傾向だったどうだ。上位ランクには「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」など、相変わらずの顔ぶれがそろっている。
各地区の銘柄が、ミスコンテストのようにランク付けされている。販売業者には参考程度の販売ヒントであって、 そのまま鵜呑みにはできない。この地区のこの銘柄は「特A」だからと、そのまま販売すれば消費者から苦情が来るのがたびたびである。 同じ地区でも、生産者や土地が変われば、味が違うからである。
私なりに、銘柄別に感じたことを概していえば、「コシヒカリ」は誰にでも好かれる八方美人で、 産地によって違いこそあれ、その土地では人気者である。「ひとめぼれ」はスマートな美人だが、ツンと取り澄ましたところあり、 主に若者に人気があるが、少し個性が強く、好き嫌いの分かれるところである。
「あきたこまち」は感情が激しく機嫌の良い年とそうでない年があり、扱いにくいほうである。 西日本で人気の「ヒノヒカリ」は、どの場面でも愛きょうを振りまき、誰にでも合わそうとする明るい存在であるが、 今年、九州では台風にやられてい少し気の毒であった。
「日本晴」は昔のよき時代を思い出しえは前に出ようとするが、過去の物。存在感はあるが、 「ご苦労様でした」と慰めてあげたい。「はえぬき」「ほほほの穂」「森のくまさん」も個性不足が否めない。
低アミロースの「ミルキークィーン」は個性が強いが、自身の役割を把握して脇役に徹すれば、 評価はより一層高くなるだろう。以上、あくまでわがままな私見である。