飛行機から降りると一瞬、めがねが曇るほど湿気の多い、梅雨真っただ中の沖縄・石垣島に、六月初め行って来た。
空港まで、JAの人が迎えに来てくれ、島内の水田を案内してもらった。 あちこちの水田では、頭を垂れた稲が黄色く色づいていた。 大阪近県では、まだ、小さな苗が梅雨空の下で風に吹かれてかわいらしくなびいているのにである。
六月十九日、送られてきた見本の新米を米屋グループで試食した。 「うまいっ!」。つやも粘りも風味も良い。二〇〇一年度産新米の八重山「ひとめぼれ」である。
次の朝、同時に送られてきた新米の「ミルキークイーン」の試食も行った。 これまた「メチャうま」である。七月初めに八重山「ひとめぼれ」を発売する予定だ。客の喜ぶ顔を見るのが楽しみである。
近年の新米は、新米らしくない新米が多々ある。新米とは、つや、粘り、風味が強調されないと駄目だ。
ところが、客に「新米ですから水を控えて炊いてください」と忠告するのは間違いである。 客からは「あれ、本当に新米?」と怒られる始末である。
今まで通りの水分量では問題があるのでは…?
石垣島で夜、生産者の方々と交流会を持った。新米らしさを強調するため、 米の水分を少し多めに乾燥してほしいとお願いしておいた。この米は、通年球ではないのでなおさらである。 このことは、昨年の秋、北海道北空知の生産者の方とも話し合った。北海道産の欠点を少しでも抑えるために……。